天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

だって、きっと誰よりも人の心を思いやれる子たちだから。


誰よりも、人の感情に敏感な子たちだから。


「…ありがとう…」


「もう十分、甘えてると思うけどな…」


…いやいや、全然だよ。


「お前らさ、もうちょっと素直になったほうがいいんじゃないの?」


と、平助君が言った。


「えぇ~…まぁ、土方さんみたくはなりたくないけど(笑)」


「…お前ら…ほんとに姉弟だなぁ翼鬼ぃ?」


「怒らない怒らない♪…天鬼の場合はさ、これが甘えなんだと思う」


「…甘えてないし、土方さんなんかに」


「なんかってなんだ!!」


…土方さん、うるさいですよ。


天鬼君にも言われたじゃないですか、夜なんだから叫ぶなって。


それだけ言うひまもないくらい、天鬼君と土方さんの言い争いは始まってしまった…。


さっきまで泣いてた天鬼君はどこへ…。


「ほんっと、切り替え早すぎ…」


翼鬼が二人を見て微笑む。


「…よかったですよ、本当に」


「何が?」


……何がって…。


「目覚めてくれて、ですよ。本当に心配したんですよ?全然起きないから…」


もう二度と…起きてくれなかったらって…みんな怖かったんだよ?


「俺がそう簡単に逝くはずないよ」


君は、そう笑って言う。


…分かってるけど、怖かった…。


好きな子が苦しんでたのに、何もしてあげられなかった。


自分が情けなくて仕方ない。