♢総司♢

いきなり、天鬼君の体が崩れたかと思うと…翼鬼の膝の上に突っ伏した。


天鬼君まで…気を失った?


「おい、天鬼。こんなときにまで悪ふざけはよせ」


そう言って土方さんが天鬼君を起こす。


でも、反応はない。


ただ翼鬼そっくりの可愛らしい寝顔で寝ているだけ。


「……大丈夫です。少し眠ってもらっただけですから」


「!翼鬼!?」


いきなり、翼鬼がしゃべりだした。


にこっと微笑んで…。


「いいえ。わたくしは翼鬼様ではございません。我が名は麗(レイ)。これでも神でございます」


神…ってことは、まさか!


「愛と輝の…上の神様?」


「はい。その通りでございます。今は翼鬼様のお体を拝借しているだけです。わたくしは翼鬼様の刀に身を寄せておりましたゆえ、先ほど、翼鬼様が混乱してしまわれたのです」


…なんか、意味わかんなくなってきた…。


つまり、今翼鬼の中にいるのは麗という神で。


天鬼君は失神させただけで命に別状はないと。


「いえ、沖田様。それはちと語弊がございます。失神ではなく、眠らせただけです」


…読むな、心を。


てかどっちも一緒だろ?


ようは、意識を失わせたってことでいいじゃん。


「まぁ、よろしゅうございますわ」


……だから、心を読むなっ!!