屯所に戻ってすぐ、翼鬼がいる部屋に向かった。


その途中で聞こえてきた、叫び声。


「いやぁぁぁぁぁああ!!!!!」


この声…!


「翼鬼!?」


気づいた途端、みんなで走って部屋の障子を開けた。


「どうしたの!?」


僕たちが見たのは、起き上がった翼鬼が泣いていて。


焦った顔をした平助君と新八さんがオロオロしている状況だった。


「何があった?」


「土方さん…。分かんないんだ。起き上がったと思ったら…いきなり叫び出して…」


「翼鬼、翼鬼!どうしたの?」


僕は翼鬼の布団に駆け寄って、顔を覗いてみる。


でも翼鬼は僕なんて眼中にないみたいに、ただ泣いているだけだった。


翼鬼に何があったの…?


その途端。


翼鬼がハッと顔を上げたと思ったら…


「どうして…誰…?なんでここにいるの?」


と、意味不明な言葉を発した。


「翼鬼?誰って…僕だよ。天鬼だよ」


それすらも聞こえていないようだ。


「…あなたは……麗優鬼…?」


麗優鬼?


それって、確か…翼鬼の剣の名前だよね?