天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「土方さん、入るよ」


「ああ。…珍しいな、お前が声かけてから入んの」


「まぁね…」


「…はぁ、翼鬼か…」


…本当に、この人は余計なところで鋭い。


鋭くなきゃ、新撰組副長なんてやってけないか。


「いつ、目覚めてくれるんだろうね…」


「…翼鬼のことだ。きっと目覚めるさ」


「なんなら、土方さんの発句集でも読んでみようか」


軽口をたたいてみても、前みたいに笑えない。


「…お前は寝てんのか」


土方さんも、乗ってはくれない。


「寝てるよ」


嘘、ほんとはそんなに寝てない。


眠れるわけがない。


翼鬼がいつ目覚めるのか分からないのだから。


「……翼鬼が目覚めなかったら、どうしよう…」


「縁起でもねぇこと言うんじゃねぇ!」


怒鳴られた。


「不安なのも分かるがな。お前が信じて待っててやんなくてどうする」


…分かってる。


「分かってるんだ。でも…っ…怖いよぉ…。翼鬼を失ったらって思うと…怖くて…」


寝れるわけがない。


平常心で、いられるわけがない。


僕は……翼鬼がいないと、生きていけないかもしれない。