天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「みゃー、みゃー!」


愛と輝が入ってきた。


「愛…輝…」


もちろん、俺には何を言っているか分からない。


でも、二匹は俺の言っていることを理解できると思って。


「ごめんなさい…。約束、守れなかったです」


「みゃー!」


「みゃ、みゃー!」


何を言っているか分からないけど、行動で分かった。


二匹は、俺の手を引っ掻いた。


「みゃー、みゃ!」


「やめろ、二人とも!…なんで、沖田さんを責めるんだよ。責めるなら、僕でしょ?」


「みゃみゃ…」


「…僕が、翼鬼に殺させたんだよ…」


そう言ってうつむく、天鬼君。


そんなこと、絶対にない。


「…誰のせいでもないことだろ。翼鬼は守りたくて、だからそのために殺した。…誰がそれを責められるんだ…」


「土方さん…僕…」


「お前のせいじゃねぇよ」


土方さんは、天鬼君の頭をガシガシと乱暴になでた。


いつもなら振り払うだろうその手を。


天鬼君は黙って受け入れてた。


…俺は見たんだ。


天鬼君の頬に、一筋の水滴が、流れたのを…。