天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「泣いていいんだよ…。怖かったでしょう?守れなくて、ごめんね…」


「なんで…おきたさんが…あやまる、の?」


笑って言う、翼鬼ちゃん。


ねぇ、気づいてる?


いつもみたいに、笑えてないよ?


「泣いて…。お願い。壊れてほしくないよ」


さっきよりもきつく、抱きしめる。


「…あたしね…こわ、かった…。でも、あたしがやらなきゃ…てんき、が…っ…」


「大丈夫。仲間を守るために、正しいことをしたよ」


「…ごめ…なさっ…。ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…」


やっと、泣き始めた…。


「うっ…あぁ…」


「大丈夫、大丈夫」


翼鬼ちゃんの、背中をなでる。


そんなに苦しまないで。


君には、そうやって殺した相手に対して謝れる心がある。


それだけで、だいぶ救われるだろう。


「…ううっ…。…おね、が……つばきって…よん、で…?」


「翼鬼。翼鬼…大丈夫だよ…」


俺の胸で泣いてくれる翼鬼が愛しくて。


離したくなくて。


翼鬼の意識が途切れるまで、ずっと抱きしめてた…。