天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…さぁ、こっちも始めようか?」


「っ!?」


いつも間にか、敵が後ろにきていた。


ふいを突かれた。 


敵は、お千代ちゃんを狙っている。


マズい。


僕とお千代ちゃんの距離は遠い。


翼鬼も…。


守りきれない…!


「お千代ちゃんっ!」


剣を抜く、ヒマはない。


とにかくお千代ちゃんを守らなければと、僕は…


お千代ちゃんの前に立ちはだかった。


斬られる━━。


そう、思ったのに。


いつまで経っても、痛みはこない。


なのに、僕の顔には血がついている。


前にいた敵が…ゆっくりと、倒れた。


その、向こう側にいたのは…


剣を低く持って。


体勢も低くしていて。


顔を敵に向けてうつむいている…


翼鬼だった。