天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「行こう、天鬼。大丈夫。お姉ちゃんがいるよ」


「…翼鬼お姉ちゃん…」


天鬼は、たまにしかあたしをお姉ちゃんと呼ばない。


何かに耐えきれなくなったときとか、甘えたいときしか。


「…行く」


「では、そこにいるお千代さんに声かけてみますね!」


……はぁ!?


「沖田さん!?お千代さん、こんな近くに…ええ!?なんで、は、ちょっと待って!?」


あたしは一人パニクった。


天鬼は意外にも冷静で…。


「お千代ちゃん!」


普通に声かけてるし…。


「あ!天鬼はん!沖田はんに翼鬼はんも!」


てくてくとこっちに向かって歩いてくる。


…可愛らしい…。


「お久しぶりどす」


「…久しぶり。お千代さん」


「嫌やわぁ、翼鬼はん、女の人のくせに、お千代さんなんて。お千代でええんどす」


…なんであたしが女って知ってんだ、この人は?


まさか…


「天鬼ぃ?」


「僕何も言ってないよ!?お千代ちゃんが気づいただけでっ…」


気づいた?一回会っただけで?


「すご…」


「いやぁ、私呉服屋やから…人の体型とかは分かるんどす」


そう言って照れたように笑う、お千代さん。