天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…っう、あ…」


翼鬼が、呻く。


始まった…。


「え、どうしたんですか!?」


翼鬼を抱えている沖田さんは、驚いている。


「…傷の治癒が、始まったんだ」


翼鬼は苦しそうに顔を歪める。


それに呼応するように…傷は塞がってゆく。


完全に…治った。


「え、怪我はどこいったんだ?」


「僕たちは…人とは違う能力を持ってる。傷が治ったのも、その一つ」


「なんで…」


「人じゃないから。…僕たちは……鬼だよ」


「!?鬼って…お前ら、人の姿してんじゃねぇか」


「人間だよ?でも、鬼なんだ。ずっと…そう言われてきた」


人間だよ。だけど…。


鬼なんだって。


どれだけの人に、言われ続けてきだろう。