天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「あと…翼鬼の弱点だけど。あの子は…暗闇が怖いの」


「暗闇が怖い?…意外」


「だよな、怖いもんなんてなさそうな…」


「過去に、ずっと一人で暗いところにいたから…恐怖心が消えていないの」


小さい頃から、あんな暗闇に、ずっと一人でいた翼鬼。


恐怖心が残るのも、無理ないわ。


「暗いところに一人でいると…我を失うの」


「いつもの強気の翼鬼じゃなくて…ただの、女になる」


「…一度だけ、見たことがあるの。普段からじゃ想像もできないくらい怯えて…震えて…泣いていたわ」


あの翼鬼は…本当に怯えていた。


翼鬼は夜目が効くほう。


だから、別に暗くても大丈夫といえば大丈夫なんだけど…。


見ようともしないで、むしろ何も見たくないと言わんばかりに…顔を伏せていた。


座り込んで、耳を塞いで…。


あの姿を思い出すだけで、かわいそうだと思ってしまう。


「翼鬼を、一人にしないでやってくれ」


「するわけないじゃないですか。…怯えている翼鬼ちゃんなんて、見たくありません」


「翼鬼はいつも強気のほうがいい!」


「だよね。お酒のときもそうだったけど…なんか調子狂うし」


それは…翼鬼が可愛すぎるだけなんじゃ…?


というか、あなたが翼鬼に惚れてるだけなんじゃないの、藤堂さん。


思ったけど…翼鬼は沖田さんが好きだから、言わない。