天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

重い沈黙を破ったのは、輝だった。


「だから、あの二人はこの歴史を変えようとしてる。まずは、芹沢さん暗殺からだろう」


「暗殺…」


誰かが、呟く。


ここにいる人間の声さえ、どこか遠くで響いている……そんな感覚。


「…あなたたちは…生きたい?」


これが、一番聞きたかったこと。


あの子たちが、いくら生きてほしいと願ったところで。


その本人たちが生きたいと願わなければ、意味がない。


「俺は……生きたい。生きて…みんなといたい」


藤堂さんが、呟く。


「裏切るなんて…嫌だ…」


「俺も、みんなといたい」


…結局、みんな生きたいと答えた。


自分のためではなく。


誰かのために。


生きて…守りたいと。


そう、答えたんだ。


「…それが、己の誠に従った答え?」


最終確認のつもりで、聞いた。


「…ああ。誠を信じて生き抜く。それが、俺らの生き方だ。だから…たとえ歴史通りでなくなったとしても、やることは同じ」


「生きるだけだよ。みんなと一緒に」


やっぱり…みんなは強い。


甘い覚悟じゃない。


ただ、己に従っているだけ。


それが…どれだけすごいことなのかしら。