不思議そうに、首を傾げられる。


あ、分かんないんだ。


「肩をかけてるやつ」


「ああ、これですか。…はい、どうぞ」


「ありがとう」


リュックを渡してもらってから、沖田さんは翼鬼をお姫様抱っこした。


「軽い…」


翼鬼の軽さに驚いている。


…あんまり食べないからね。


「…あれ、怪我してるんですか?」


さっきの、怪我。


翼鬼の今の格好は、ショートパンツに長袖のジャージ。


だから…足の怪我はすぐに見つかってしまう。


「大丈夫。…すぐに、治るから」


「でも、けっこう深いですよ?」


「治るんだよ」


だって、僕たちは…。


鬼だから。