♠翼鬼♠

甘味処から屯所に帰ったとき…


『幹部の人に、話があるの。…土方さんのところに行って?』


と愛に言われたから、ほんとはあまり行きたくない土方さんの部屋に向かった。


「土方さん、翼鬼です」


「入れ」


へいへい。


「何の用だ」


土方さんは机に向かって何か書いている。


「なんか、愛が話したいことがあるんだと。だから、今夜幹部集めてくれない?」


「は?まあいいけど…」


じゃあは?とか言うなや。


「じゃ、そんだけ~」


そう言ってあたしは出て行こうとした。


『翼鬼と天鬼は、聞かないでいてほしいことなの』


…え?


「どういうこと?俺らがいたらダメってこと?」


「は、お前何言ってんだ?」


土方さんの声がしたけど、無視。


『そうよ。壬生浪士組の幹部のみ、知っていなくてはいけないことなの』


「…なんでみんなはよくて、俺らはダメなんだよ?」


「おい、だから翼鬼。なんて言ってんだよ、この猫は」


『…まだ、その時じゃないから』


…なんだよ、その時って。


「だから、俺を無視すんじゃねぇぇぇー!!!!」


…うっさいな、この単細胞は。