天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…好きでもない女に甘えられても、嬉しくないんじゃ?」


「え、だって好きですもん。翼鬼ちゃんのこと、仲間として」


「いや、仲間としてじゃなくて…恋愛対象としてさ」


好きじゃないくせに。


「……というより、言ったじゃないですか」


…なんか話はぐらかされた気が…しなくもなくもない。


「何を?」


「あなたを愛してあげるって」


沖田さんは、めちゃくちゃ綺麗な笑顔で、そう言った。


そういえば、そんなようなこと…言われた気がする。


「…そうだったね…仲間として、愛してくれるって…」


言ってくれた。


仲間として…。


あたしは、そのときは信じられなかった。


でも、今は…仲間として、だけじゃ足りない。


もっと…あたしを見てほしい。


そう思うのは…欲張りなんだろうか。


欲張りなんだろうな。


だって、あたしが。


鬼って言われ続けてきたあたしが。


人から…愛してほしいなんて。


笑ってしまう。


ずっと信頼できる人なんて、天鬼しかいなかった。


そんなあたしに、仲間ができた。


それだけで…十分でしょう?


沖田さんに仲間としてだけじゃなくて、愛してほしいなんて…わがままだよ。