天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…翼鬼が自覚した」


天鬼が、ボソッと呟く。


「んなっ!?」


気づいてたの!?


あたしでさえ気づいてなかったこの気持ちに!?


「バレバレだって。…むしろ、やっと気づいたか、この鈍感娘、みたいな」


「鈍感娘って…。一応、あんたの姉なんですが…?」


その姉に向かって鈍感娘ってひどくない?


てか、あたし鈍感じゃないし。


むしろ鋭いほうだし。


「自分の気持ちに鈍感ってことだよ」


「~心を読むなっ!」


「翼鬼のことは分かるんだよ」


…天鬼に分かるんだから、あたしだって天鬼のことくらい分かる。


…今度はあたしがいじってやろうかな。


「そういう天鬼は、どうなの」


「どうなのって…」


「お千代さんのことですよ~」


何故か急に入ってきた、沖田さん。


「お千代ちゃんはっ…別に…」


お千代ちゃん?


「ちゃんづけだったっけ?」


しまったという顔をする、天鬼。


…おもしろいんだけど、天鬼いじり。