天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「やっぱ甘いものはいいよね。…なんか落ち着く」


「でしょう?糖分は必要ですよ」


いや、だからってお団子30本は多すぎ…。


…ほんとに好きなのかな。


そう思って、沖田さんを見る。


すると沖田さんもこっちを見て…目があった。


「!」


慌ててそらそうとしたら…顎を掴まれて、そのままの状態に…。


「なっ…なに…」


ドキドキする。


目をそらしたいのに、そらせない。


吸い込まれるような…そんな感覚。


「くすっ…ついてますよ」


沖田さんはあたしの唇の近くについたあんこを、親指の腹で拭ってくれた。


「あ、ありがと…」


恥ずかしい…。


こんな些細なことで。


これが…恋…なんだ。


気づいてしまったからには、意識してしまう。


今まで平気だったことが…平気じゃなくなる…?


もっと、近づきたいと思ってしまう?


…分からないけど。


できれば、このままでいたい。


沖田さんの気持ちは…きっとあたしに向いていないのだから。