天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「佐之さぁーん…眠い…」


「は!?分かった、悪かった!お前がこんな酒弱いなんて知らなかったんだよ!だからここで寝んな!!」


「…くすっ…ようやく悪かったって言ったね?」


……は?


天鬼君?まさか、あんた…


「酔ってるわけないじゃん。フリしてただけだけど?」


はい、出ました黒い笑み…。


「あーあ。翼鬼~おもしろかったよ?」


「……あんたねぇ、姉にむかってよくも…」


騙したんだね、このあたしを。


「ひどいよ…天鬼……あたしが騙されるの大嫌いだって知ってるくせに…」


天鬼が騙したんだったら、あたしもやってやる~!


あたしがしゃべるときに「あたし」って言うの珍しいから…ちょっと、いやだいぶ気持ち悪い…。


「え!?ご、ごめんっ…そんなつもりじゃ…」


おーおー、あたしの演技に騙されてる。


おもしろいから、もっとやってやろ…。


「…天鬼のばかぁ…」


泣き真似をしてみた。


…キモい~の一言につきる。