「え、本物?」


天鬼も、状況を把握したみたいで。


「本物の、土方さん?」


「てめぇら、なんで俺の名前を知ってんだ」


…だって、おそらく未来から来たし。


「見慣れねぇ格好してやがんな。長州の間者か?」


いや、違うし。


「初めまして、土方さん」


「…質問に答えろ」


あ、若干イライラしてる感じ?


「俺らは、長州の間者じゃない。逆に、こいつらだろ」


あたしは今倒したばかりの相手を指さす。


って…いないし!


「君たちが戦ってたのは、見てましたよ~」


隣の男が、にこにこ~っと笑う。


「それで、君たち何者なんですか?…背中に翼、はえてましたけど?」


…見えたのか!?


あたしたちの翼は、人には見えにくい。


だから…普通の人には、ただ身体能力が優れている、としか思われない。


…さすがは、新撰組…あ、壬生浪士組と言ったところか…。


……あたしが…泣いただけある。