天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「……正直、お前らにそこまで言われるようなことしてないが」


「したよ、たくさん。…みんなのおかげで、生きようって思えた」


本当だよ?


土方さんは気づいてないだけ。


まだ経験してないだけ。


「…犠牲になんか、なるなよ」


土方さんは、ポツリともらした。


「犠牲になんか、なるな。…俺らに生きてほしいのなら、お前らも一緒に生きろ」


「土方さん…」


本当は、優しい人なんだね。


優しさが、気づかれにくいだけで。


誰よりも、仲間のことを思ってる。


「~話は終わった!早くどっか行け!」


そう言って、土方さんはそっぽを向いてしまった。


もしかして…


「照れてるの、土方さん。…かわいいなぁ(笑)」


天鬼…あたしの言おうとしてたことを、ありがとう。


「おまっ…んなわけねぇだろぉ!?てか、(笑)ってなんだ、(笑)って!!」


あ、戻っちゃった。


けっこうレアものだったのに…。


沖田さんにも見せたかったな。


あの人なら、絶対おもしろくいじるでしょ。


まあ、天鬼もけっこう毒舌だからいじるの見てるとおもしろいけど。


…そう考えると、天鬼と沖田さんってやっぱりあうなぁ。


二人が組んで土方さんいじったら…さすがの土方さんも負けそう。


あたしはそんなことを思いながら、一人笑っていた。


…端から見たら怖い人だよな……。