天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

そうだな…それだけでもよしとしよう。


「んで、お前らはなんの用だ」


「ああ、んーと、僕たちって未来から来たでしょ?だからしんせ…壬生浪士組のこの先とかも、全部知ってる」


「…そうなのか?」


「有名だから。…豊玉さんもね?」


「天鬼ぃ!?」


…天鬼、ここでいじるのはやめようよ。


「…だから、俺たちは歴史を変えたい」


もう天鬼に任せてたら、全然進まない気がしてきたから、あたしが話す。


「!?歴史を変えるって…」


「驚くのも無理はないけど…俺たちが歴史上に存在していない時点で、もう歴史は狂ってる」


…はず。


実際はよく分かんないし…。


「…俺たちは、みんなに生きてほしい。だから、歴史を変えたい」


「……生きてほしい、か…。じゃあ、俺らは死ぬ運命なんだな?」


「そうだよ。でも、そんなこと僕たちがさせない。…たとえどんな犠牲を払ってでも、みんなに生きてほしいって決めたんだ」


「…もちろん、犠牲の対象は俺らだから、心配しなくていい」


たぶん、あたしたちが歴史を変えるんだから、犠牲になるのはあたしたちだ。


どんなことになるか分からないけど…。


「…そこまでして、俺らに生きてほしいのか?」


あたしと天鬼は同時に頷く。


だって、希望をくれた人たちだから。