天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

…たるい。


弱いんだけど…この人たち。


天鬼も、思ってることは同じみたいで。


「ねぇねぇ、おじさんたち弱すぎでしょ」


なーんて、倒した相手に向かっていってる。


その天鬼が、あたしのほうを見て、叫んだ。


「後ろっ」


敵か…。


あたしは、また翼を出す。


飛んだ…のに、剣が足を斬ってた。


「…っ…」


けっこう、深いかも…。


「翼鬼、大丈夫!?」


「ああ、平気…」


でも、なんでだろ?


頭が…割れるように痛い。


「ここから、離れよう」


そうしたい。


それなのに、行く手を阻むように、あたしたちに声がかかる。


「お前ら、何者だ!?」


振り向いて、声をかけた人物を見る。


一人じゃ、なかった。


二人。


え……。