ある日。


知らない大人が、僕と翼鬼を連れ去ろうとした。


必死で逃げて、後で知った。


両親が、僕らのことを捜しているのだと。


そんなことは知らない。


戻ったところで、また辛い思いをするだけだ。


だから僕たちは、住むところを転々としながら、生きてきた。