天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

翼鬼とは、ずっと離れていた。


双子の姉がいるっていうのは、聞いてた。


でも、会ってはいけなかった。


…うわさで、聞くだけだった。


いつか、会いたいって思ってた。


会って…話したいって。


…その夢は、叶った。


残酷な、方法で。


━━ある日、母親に呼ばれて、地下に行った。


あなたもいずれはこの家を継ぐのだから、何をやっているのか、しっかり見ておきなさいと言われて。


継ぐ気なんてなかった。


こんな家、継ぎたくなかった。


嫌々行った地下室で、僕が見たのは…。


鎖に繋がれた、少女だった。


その女の子は、ぐったりした様子で、ピクリともしなかった。


瞬間、母親が叫んだ。


“何をしているの!?早くやりなさい!”


何をやるのかって…思った。


そしたら…召使いが。


女の子の体に向かって。


……弓を、うった。