死にぞこないの神【短編】

私の『彼はどこ?』という必死の思いは伝わらなかったみたいね。
代わりに大勢のブタを連れて来て…
私は気が狂いそうだわ!


だから殺すことにしたわ。

私を中心にすると三時の方向にいる男性の爪を全部弾いてやったわ。
足から手、全部。

それでもその人は逃げ出さなかったの。

だからその人に敬意を払って腹を裂いて内臓を出してやったわ。それから皮膚を剥いで内臓で覆ってあげたの。内臓が落ちないように筋肉と筋肉の間にねじ込んだわ。

金属を切ったみたいな悲鳴をあげて…
そんなに嬉しかったの?

すると

五時と七時と九時と十時の方向にいる人達は一斉に出口に向かっていったわ。

この部屋には六時の方向と九時の方向に出口があるけど、二つしかないの。
皆、一番近いものを目指していたわね。

でも開けてあげないから。