死にぞこないの神【短編】

男性は全力で疾走して扉を開け放ち、部屋を出た。

私に彼を閉じ込めておく力はもうなかった。


しばらくすると開け放たれた扉の向こうを横切るあの男性が見えた。その横顔は嘲笑うピエロのように見えた。


手には『彼』
あの美しい『彼』