「そっか。じゃあ俺が焼いてやるよ?」


「え、いいよ。私がやる……」


「できんのか?」


「できるよ、目玉焼きぐらい。バカにしないで」


「わかった」


 俺はコーヒーを入れながらねこの様子を見ていたが、玉子を割ることすらぎこちなかった。


「火は小さめにして。そうそう。そして蓋をするんだ。そうすれば、上も固まるから」


「わ、わかってるもん」


 年頃の娘が料理を出来ないってどうよ、とは思うが、一生懸命なねこは、なんか健気で可愛いと思った。