俺達は慌てて車に乗り込んだが、オタク男はそこまで追っては来なかった。


「びっくりしたな?」


 車を走らせながらそう言うと、助手席に座ったねこはコクッと頷いた。


「あのバカ、おまえとヒロミンを間違えるなんて、笑っちゃうよな?」


 続けてそう言ったが、ねこは、今度は頷かなかった。


 なんでかな?

 ああ、そうか。ねこはベリーズに興味がないって言ってたから、そのメンバーと間違えられて気分がよくないんだな。


 そう思ったので、その話をするのはやめた。


 あ。帰ったらすぐに付属のDVDをテレビで観ようと思ったが、ねこは嫌がるだろうな。どうすっかなぁ。