「という事だから、ねこはおとなしく留守番しててくれ。雑誌は俺が適当に買って来るから」


 そう言って玄関に向かおうとしたら、


「やだ。私も行く」


 ねこはそう言って俺の腕を掴んだ。


「ダメだって……。見つかったら面倒な事になるって、自分で言ったじゃんかよ?」


 と拒んだものの、


「見つからなきゃいいんでしょ? 車で行って、アルバムと雑誌を買ってサッと帰って来るぐらい平気よ。ね?」


 なんて、俺の腕をギュッと抱えるようにし、上目遣いでそう言われたのでは、拒みきれるわけもなく、


「わ、わかったよ」


 腕に触れるねこの柔らかな胸の感触にドキドキしながら、俺はそう言っていた。ねこの胸って意外に大きいんだな。

 あれ?

 誰かの事もそう思った気がするが、誰だっけ?