いつの間にかねこが居間に戻っていて、テレビに向かってビシッと腕を伸ばしていた。手にリモコンを持って。
「おい、見てたのに……」
すかさず抗議をしたのだが、
「私は見たくないから」
ねこは、にべもない返事だった。
「そんな……。せめて今のグループの名前だけでも知りたいから、チャンネル戻してくれよ?」
「それぐらいは私が教えてあげるわよ?」
「おまえ、知ってるのか?」
「一応はね」
「じゃあ教えてくれよ」
「“ベリーズ”よ」
「“ベリーズ”……? ああ、あれがベリーズなのか……」
俺は、その名前だけは知っていた。時々ワイドショーなんかで話題に上っていたから。
「おい、見てたのに……」
すかさず抗議をしたのだが、
「私は見たくないから」
ねこは、にべもない返事だった。
「そんな……。せめて今のグループの名前だけでも知りたいから、チャンネル戻してくれよ?」
「それぐらいは私が教えてあげるわよ?」
「おまえ、知ってるのか?」
「一応はね」
「じゃあ教えてくれよ」
「“ベリーズ”よ」
「“ベリーズ”……? ああ、あれがベリーズなのか……」
俺は、その名前だけは知っていた。時々ワイドショーなんかで話題に上っていたから。



