「で、なぜ道端にうずくまってたのかとか、なぜ家に帰らないとか、聞いても答えてくれないんだな?」


 女はコクリと頷いた。


「職業もか?」


「言わない」


「年は?」


「……23」


 女は少し考えてからそう答えた。


「ふーん。それはちょっと意外だな」


 せいぜい二十歳ぐらいにしか見えないからそう言ったのだが……


「どうせ年寄りよ」


 そう言って、女は暗い顔をした。


「おいおい、23で年寄りって事はないだろ? 俺なんか27だぜ?」


 そうフォローしてやったのに、


「あなたが何歳かなんて関係ない」


 と言われた。可愛げのない女だ。