「ヒロミンがすごく心配してます」


 ヤコちゃんは、部屋に入るとすぐにそう言った。宏美も俺の事を心配してくれてるなんて、嬉し過ぎる。そう思ったのだが、


「ネコちゃん達はどうしたんだろうって……」


 なんだ、ネコか。

 俺がガクッと肩を落としたら、ヤコちゃんは椅子の上で丸くなってるパーシーに気付いた。ちなみにミーは、たぶんどこかで寝ているのだろう。


「あ、連れて来たんですか?」


「ああ。頼める人はいないから。もう1匹もどこかにいるよ」


「可愛い……。名前は何ていうんですか?」


「パーシーっていうんだ」


「パーシー? 男の子ですか?」


「いや、女」


「抱っこしてもいいですか?」


「どうぞ」


 ヤコちゃんはパーシーを抱き上げ、頬ずりなんかして、その後パーシーを膝の上に乗せ、椅子にちょこんと腰掛けた。


 俺の印象では、ヤコちゃんは背が高く、スレンダーでボーイッシュだったが、こうして見ると結構女の子っぽい一面もあるんだなと思った。