俺はねこの事を川島に話すことにした。いつまでも隠してるのは友人として水臭いと思うし、誰かにねこの事を自慢したかったから。


「この野郎、やっぱり女か?」


「まあな」


「あの何とかいう浮気女か? 大学からの腐れ縁の」


 川島には前に明美の事を話していた。あまりいい顔はされなかったが。


「いや、明美じゃない。あいつとはキッパリ別れた」


「そうか。じゃあどんな子だよ? 俺も知ってる子か?」


「いや、おまえは知らない子だよ」


「こいつ、いつの間に……。1個没収!」


 川島はそう言うなり俺の皿からサイコロステーキをひとつ引ったくった。


「おい、何すんだよ!」


「抜け駆けした罰だ。こん畜生!」