来訪者が変な奴だといけないので、普段は使わないチェーンを掛けて細くドアを開いたら、来訪者は見慣れない若い女だった。


「夜分遅くにすみません。ねこちゃんは起きてますか?」


 女は申し訳なさそうにそう言った。なんでねこの事を知っているのだろう。


「えっと、あなたは……?」


「あ、ヤコです。ねこちゃんのルームメイトで、昨日もおじゃましました」


 これは驚いた。ヤコという子は、昨日は濃い化粧をしてサングラスを掛けていたが、今夜はスッピンらしく、とても同一人物とは思えなかった。


「これは失礼。ねこは起きてますよ。ドア開けるんで、ちょっとお待ちを」


 いったんドアを閉め、チェーンを外して大きくドアを開けると、ヤコという子の他にも、若い女の子が大勢来ていた。