その日の夜もねこに抱き着かれ、俺はまるで拷問を受けてるような気分だった。ねこへの想いを自覚し、明美との腐れ縁を断っただけに、昨夜よりも辛い。俺の辛抱は、いったいいつまで持つだろうか……


 ヒロミンを想いながら、俺はその拷問に耐えた。ねこへの想いとは別に、ヒロミンの存在も俺の中では大きくなっていて、ねこへのムラムラを紛らすには効果的だった。


 こういうのも二股になるんだろうか。いやいや、片方は俺なんかの手が届くわけもないアイドルだ。比較の対象にするのはおかしいだろう。


「ねえ、神谷さん……」


 すっかり夜中になり、ようやくうとうとと眠りに落ちかけた時、ねこに肩を揺さぶられてしまった。ねこもソノ気になったのか!?

 もちろん俺に異論があるわけもなく、目をパチッと開くと、ねこの柔らかな体をおもいきり抱き締めた。