夏休み




「星也殿、祭りのやり方は知っているかね?」



一人の大きな鬼が俺の目の前に来てそういった。





「いいえ…」



「そうか。ならば説明するからよく聞いてくだされ」




「…はぁ」




「まず最初に鬼封洞窟に入って奥まで進む。そして行き止まりの所にある古い紙が貼ってあるはずなのだ。その紙を剥がし、戻って来て呪文を唱えてくれれば終わりだ」






「呪文?」



「うむ。呪文だ」





「へぇ。それってどんな呪文?」



俺は説明を終えたばかりの鬼に質問する。





「『封印、解!』と叫べばいい」




これは期待外れだ。




「それだけ?」





「それだけだ」







少しつまんないなぁ。