「星也殿、祭りのやり方は知っているかね?」
一人の大きな鬼が俺の目の前に来てそういった。
「いいえ…」
「そうか。ならば説明するからよく聞いてくだされ」
「…はぁ」
「まず最初に鬼封洞窟に入って奥まで進む。そして行き止まりの所にある古い紙が貼ってあるはずなのだ。その紙を剥がし、戻って来て呪文を唱えてくれれば終わりだ」
「呪文?」
「うむ。呪文だ」
「へぇ。それってどんな呪文?」
俺は説明を終えたばかりの鬼に質問する。
「『封印、解!』と叫べばいい」
これは期待外れだ。
「それだけ?」
「それだけだ」
少しつまんないなぁ。

