「皆のもの!空を見よ!今宵は満月になる!」 まだ夕暮れの空には月はなかった。 鬼にはまだまだ不思議な力があるのだと思った。 「星也、満月になったら始まる。準備は良い?」 蒼愧はそう言って俺が被っているお面を少し外して話しかけてきた。 「うん。多分大丈夫」 それから鬼達と満月になるまでたくさん騒いだ。 歌ったり飲んだり、でも俺はまだ未成年だから木の実を搾って作ったジュースをもらった。 こんなに騒いでいるのに、人は一人も来ない。 やっぱり俺にしか見えないんだ。