「星也、これを」 そう言って蒼愧に渡されたものは狐のお面だった。 「これ被るの?」 「うん。それを被る者は鬼祭りの主役だよ」 「へぇ…。主役ねぇ」 俺はそのお面を被った。 蒼愧の口元が少し笑った様に見えたのは気のせいだろうか。 「さぁ、皆待ってる」 そう言って蒼愧は走り出した。 森の中をどんどん奥に進んでいくとチラチラと灯りが見えた。 そしてガヤガヤと話し声も聞こえてくる。 俺はワクワクした。