ふと誰かの声が聞こえた。 「おーい…」 その声はどこかで聞いた事のある声だった。 「生きてるのか?」 あぁ、生きてるよ。 「こんなところに寝てたらひかれるぞ」 俺は薄く目を開けた。 誰かの足が見える。 裸足だ。 「早く起きろよ」 だんだんうるさくなってきて俺はグッと力を入れて身体を起こした。 どうせ兄さんが倒れた俺を見て戻って来てくれたんだろう。 俺はそう思って顔を上げた。