珈琲の香り

あれから色々あったよな。

蒼の『事故った』って電話があったり、喧嘩したり……

まあ、ほとんどの原因が俺なんだけどな……

お前と喧嘩する度に、俺の知らないお前がいて、その度にお前に惚れ直して……


どんどんお前に惹かれていったよ。




俺な、お前に言いたいことがあるんだ。

だけど、俺は口が悪いから、うまく伝えられる自信がない。


……そんな顔、すんなよ……

そんな……


不安そうな顔……



俺な、お前が卒業する日に、言おうと思ってたんだよ……


卒業式の朝、学校へ行く前に必ずここに寄るって思ってたから。



………ん?寄らなかったらどうするつもりだったか?


そんなの……ありえないだろう………?

お前は必ず寄るって。


いままでと同じように、ここに寄って、俺の淹れたコーヒーを飲んで、それから行く。

どんなに喧嘩したあとでも、必ず寄ってたから……


変な自信だけどな……


だから、黙って聞いてくれ。


………だから、そんな不安そうな顔、すんなよ……


不安か?

大丈夫だよ。

不安になることなんてない。

ただな……泣かせるかもしれない。

それだけは覚悟しておけよ。