美知くんが控え室をひとつ開けてくれて、私は久しぶりにクライエントになった。

「ごめんなさい、忙しいのに」

「ほんとにしょうがないなぁ」

寒いのかな。手をこすってる。

「ミューズさん・・・」

「ん?」

何から伝えればいいのかな。こんなに想いが私の中から重なり、あふれてる。

「・・・卒業するの?」

「えっ・・・?」

不安な気持ちが言葉になる。

「就職するの?葉子さんは?もう研究室、なくなるの?」

「ねみちゃん?」

だって、私は・・・。