「わっ、だめ・・・いや・・・もういいんだ」

「だめだよ、ちゃんと書かないと」

「えっ・・・?」

「あっ、ごめんなさい。私、何も知らないのに」

「香ちゃん・・・」

「だけど、ミューズさん、心配してるよ。最近、カウンセリングの日も来てくれないって」

「それは・・・」

香ちゃんも、知ってるんだ。

「私、音美ちゃんのこと、まだ知らないこといっぱいだけど・・・ミューズさんと、あんなに近くで話せるのは、音美ちゃんだけだよ。これ、渡しておくね」

「なに?」

「4回生の卒業公演チケット。音美ちゃんに」

「ありがとう・・・」