「ずっと言えなかった。ねみちゃん、泣いちゃうと思って・・・」

「うん」

「かわいい子、泣かせたくないもん・・・」

「うん」

いつもの優しいミューズさん。でも、ひとりじゃない。

「吹雪・・・孝太。オレの名前なんだ」



「ネミ?」

「・・・あっ、ごめん」

もう一週間も経つのに、私はあの時のまま。初雪は、少し早すぎたのかな。

「ネミ、なに書いてるの?」

「えっ?」