「えっ・・・?」

「こわかったよね。ねみちゃん・・・つらいよね・・・」

葉子さんは、私のお姉ちゃん。

「もう、泣かなくていいよ」



さっき、口にできなかったマグカップが、もう一度戻ってくる。震える私の心を、そっと温めてくれる。

「みゅー?怒らないから、こっちに来て」

「いやだ・・・」

「もぅ。みゅー、もうすぐ22でしょ?子どもじゃないんだから」

「オレ・・・子ども・・・。あぁ、オレ、ほんとに何したんだ・・・」

部屋のすみに、猫のようにうずくまってる。だけど、決して葉子さんは近くに行かない。待ってるんだ。