もし、あの冬が過ぎなければ、私はひとりだったのかな。今日、あなたの想いが降ってくるなら、それは初雪だと・・・分かるんだ。

「きゃっ」

「あ、ごめんなさい」

私は逃げてしまった。ミューズさんの告白から離れることしかできなかった。

「ねみちゃんっ。どうしたの?びっくりした」

「葉子さん・・・ごめんなさい」

頭の中は、さっきと同じ。まだ声が響いてる。

「ほんとに、ごめんなさい」

「うん、いいよ」

音もなく。何かが変わったみたい。言葉ひとつで、こんなにも回りはじめてる。だけど、もしかしたら。私だけが残されてくのかな・・・。

「ねみちゃん?ほんとにだいじょうぶ?」