どこかから楽器たちの音が聞こえてくる。町はずれにある音楽大学。セレモニーが行われる講堂。オーケストラの演奏をしてくださる先輩方が私たちを待っている。

「ご入学、おめでとうございます。クラブ、サークル活動に興味はありませんか?」

色とりどりのパンフレットで、腕の中がいっぱいになる。

「わぁ。これ、飴ちゃんついてるっ。あたし、このクラブにしよっかなぁ」

「はる、それで決めるの?あっ、こっちはチョコレート」

「えっ、いいなぁ、ほんとに?」

「うん。あげる」

「ありがとー」

「はる、何か入るの?」

「うんっ。楽しそうだもん」

「そうね、大学だし人数も多そう」

「ねっ。ネミも入るんでしょ?」