くるっ・・・左手で耳に髪をかけて。かわいい子。でも、はるのようなふわふわ天使じゃなくて。・・・リス。うん、小さなリスみたいな、くりっとした瞳だった。そしてどこか、静かな空気に包まれてた。

「ともだちに・・・なれるかな」

授業が終わっても、私は初恋をしたような気持ちでいた。

「もー、ともだちじゃないでしょっ。ねぇ、ミューズ、元気?ほんとのこと教えてよー、ネミ」

「ミューズさんのことじゃないもーん」

「えっ、誰?はるに教えてよー」

これといって、何も変わらず。私はミューズさんの、1人のクライエント。きっと、ミューズさんだって同じ。

「あっ・・・あのっ」

あれ?子リスちゃん・・・?

「ミューズさんを、ご存知なんですか?」

紙とペンが、いつの間にか私の前に置かれていた。