「・・・うん、きっと」

「さらばピアノよ。どうして・・・」

「ねみちゃん、よく落っことすから、キズ付いてるよ」

「わっ・・・」

あの夜、ミューズさんは何も教えてくれなかった。と、いっても、彼のことを知らないから、分かるはずもないんだけど。でも、もしかしたらって。曲に意味があるかもしれないから。

「すみません」

「はい」

「そちらにプリント余っていませんか?」

大きな講義の授業。ちょうど私のところで1枚、余分になってた。

「どうぞ」

「ありがとうございます」