「おいしい?」

ポケットの中で、あっためてくれた。

「それ。もう専用カップだね」

「またコーヒーかと思った。どこかの先生みたいに」

「オレだってずっとは飲めないよ。カフェインの摂りすぎで死んじゃう」

「そこまでならないって」

「オレいなくなったら、クライエントのみんな、どうするだろ」

・・・ちょっとだけ。心が揺れる。私。

「もー、そこ。あんまり考えないの」

「だって・・・」

「だって、ミューズさんのお部屋なくなっちゃうもん」

「や・・・」

「いいでしょ?このベンチ。よーこのアイデア」