「なんかはずかしい。送ってもらってるのに、私こそ、何してるんだろ」

おねがい・・・。哀しいの、止まって。

「オレのことは気にしなくていいよ。それに・・・あの辺、危ないから」

葉子さんが作ってくれた花束。そっと、ミューズさんがふれる。

「はいっ。ねみちゃんの涙付き!喜ぶよ、彼」

「もー、やだぁ」

「ふふふ、かわい」

お兄ちゃんみたいに、私を見ていてくれる。音楽療法士だから…かな。

「助手席。約束だったんでしょ」

「・・・どうして・・・」

「クライエントになった時、言ってたから。彼、自転車に乗ってたって」

「うん」