私には、何もない。たくさんの人と光が動いてるのに、私たちには聞こえない。束縛されてる・・・。あなたに・・・誰かに。狭いけど。でも、私はこのまま。
「今日ぐらいカウンセリング、休みにしたのに」
約束、おぼえてる・・・？
「ごめんね、何かシャレた車じゃなくて」
ねぇ・・・。
「気分悪くなったらすぐ言ってね」
こたえてよ・・・ねぇ・・・。
「ねみちゃん」
車が止まる。あれ・・・私・・・。
「ミューズさん。私・・・泣いてるの・・・？」
「あっ、ごめん。何してるんだオレ」
指先から私の涙がこぼれてく。さっきまで音色たちを生み出してたのに。
